新小太刀競技協会

新小太刀競技協会(しんこだちきょうぎかいきょうかい)
 新小太刀競技協会は、日本古来の武道の小太刀の技や形を戦いから、新たに競技として伝承する武道団体となります。
 私たち新小太刀競技協会は、初心者から有段者の会員が、小太刀の技や形を使った競技ができるように、小太刀の代わりとなる競技用の刀を作製しました。つぎに、小太刀の技や体術(打撃・投げ・関節技・組技)等の技を纏められて、柔術等の技や形になっていたものを、小太刀の技と体術の技に分けて、小太刀の技のみにし、新たに技や型を追加したことで、競技に小太刀の技を用いることができるようになりました。さらに、安全に競技ができるように、陣地内で攻防ができる競技用のマットを発案しました。
 よって、初心者でも、短時間の講習で、安全に小太刀の競技ができるようになり、有段級者は小太刀の技を駆使して戦うことができるようにしました。
 また、小太刀と体術を分けたことで、武道を習っている会員が、いざという時に、自分の身を守れないでは困りますので、小太刀競技会では指導員の指導のもとで、段級に合った体術の技を練習する事になります。技等の修得を確認するため、昇段級の試験では、体術の技と小太刀の実技等の審査をしております。

 

小太刀競技
 小太刀競技は、小太刀と称する競技用の刀と小太刀競技用のマットを敷いて、競技を行います。小太刀競技用のマットは陣地を赤青で色分けされ、黄白線で区切られており、畳1枚程の広さで重量が3kg程度と軽いため、持ち運びや設置が簡単で、マットを敷いて審査員を2名配置しても、6畳程度で競技することができます。そのため、体育館等の広い体育施設は必要なく、教室等の狭いスペースで競技することも可能です。
 また、自宅等で、審査員を1名にすれば4畳程度のスペースで、親子や兄弟や知人等と、手軽に一騎打ちを楽しむことのできる競技となります。

  

小太刀競技の名称
 小太刀競技は、小太刀を用いて打突ができる新しい競技であり、略名を「小太刀」または「KODACHI」とし、一度見た人にも覚えてもらえるようにしております。

 

小太刀競技の特徴
 競技用の短い刀を用いて敵陣地の対戦者を打突し、制限時間内に4ポイントを先取した者が勝ちとなる競技です。
 講義用のマットは持ち運びや設置が簡単なため、イベント等で、気軽に競技を楽しむことができます。
 小さな子供等に、競技用のマットを使い、お互いの体の部位につぶれやすい物を張り付けて、時間内にどれだけ潰せるか等で競わせることも可能な競技です。
 競技者は自分の陣地を上手く利用し、対戦者の立ち方や構えに応じて体勢を変化させながら、構えや打ち方等を駆使して戦う武器競技です。
 この競技は、飛んだり走ったり掴んだりしないため、体力や体格に関係なく、小太刀の陽の位参拾六式ノ型等を修練し、競技などで小太刀を振ったり、受けたりの運動を繰り返すことで、老若男女問わず体幹や運動神経が鍛えられる競技となっております。

 

競技における打ち等の多様性と突きの有効性
 小太刀競技の打突には、大きな特徴として、打ちは刀身を使う線の攻撃、突きは刀先を使う点の攻撃があり双方の違い等について解説します。
 最初に、小太刀の打ち技は、5種類の基本の打ち方と構えがあり、大きく分けると抜き打ちと振り打ちの2通りの打ち方があります。抜き打ちは腕の開きを使って打つ技で、技の一つに中段抜刀斬り等があります。振り打ちは文字通り競技刀を振るう打ち技で、技の一つに袈裟打ち等があります。これらの技を使い、頭・体・手足等へと変化させながら連続して攻撃することも可能です。打ちの技は、加点ポイントは低いものの攻撃範囲が広いのが特徴となります。
 つぎに、小太刀の突き技は、直突きや振り突きの2通りの突き方があります。直突きは最短の距離で突くことから、前足を勢いよく踏み出し競技刀を力強く突き出しますが、勢いで前足が中央線を踏んだりして失点したりします。遠くに突き出すと競技刀の刃先の軌道が直線のため防御する相手からは分かりやすく、避けられたり受け流されたりし、体勢を崩しやすいという欠点があります。しかし、相手の死角から突き出した場合、相手の受けの反応が間に合わない等の利点があります。振り突きは、腕を勢いよく振り出すことで刃先を相手に当てる技であり、相手との距離感が掴みにくく、腕を勢いよく振り出しながら、軌道を変えて刃先を変化させたりすることもあり、狙った部位に当たらないこともよくありますが、刃先が変化するため、受けが困難などの利点があります。また、突き技での頭部や腹部への突きについては、加点が高いため、勝負において有効な技となります。
 なお、それぞれの技には、異なる特徴があり、状況で使い分けることになります。競技者は既存の型以外に独自で技を纏め自分の型を作る事で、競技の攻防の幅が大きく広がる武器競技となります。

 

小太刀競技協会の護身
 私たち新小太刀競技協会の護身術の考え方は、小太刀の技や体術を修練していても、刃物を持って襲ってくる相手に素手で戦うようなことはせず、小太刀の代用品を探し、利用して相手を制することこそが、小太刀の護身の術であると考えております。

 

 


 

 

小太刀の基本技
●小太刀の立ち方
右順の立ち(右手で小太刀を持ち、右足が前の立ち方)
右逆の立ち(右手で小太刀を持ち、左足が前の立ち方)
左順の立ち(左手で小太刀を持ち、左足が前の立ち方)
左逆の立ち(左手で小太刀を持ち、右足が前の立ち方)
以上、4通りの立ち方があります。

●小太刀の構え方
上段の構え(頭の上で構える)
中段の構え(鳩尾の位置付近で敵に真っ直ぐ構える)
袈裟の構え(体を開き肩の位置に立てて構える)
上段抜刀の構え(持ち手と逆の耳付近で構える)
水平斬りの構え(臍の位置で後ろに引き水平に構える)
中段抜刀の構え(持ち手と逆の臍の位置で構える)
胸付の構え(小太刀を水平にし柄頭を胸の位置に付ける)
腰付の構え(小太刀を水平にし柄頭を腰の位置に付ける)
以上、8通りの基本の構え方があります。

●小太刀の突き・打ち方
上段打ち(上段の構えから頭部への正面打ち)
袈裟打ち(袈裟の構えから首筋への斜め打ち)
逆袈裟打ち(逆袈裟の構えから首筋への逆斜め打ち)
上段抜刀打ち(上段抜刀の構え・頭部・胴体・足への抜打ち)
中段抜刀打ち(中段抜刀の構え・頭部・胴体・足への抜打ち)
上段突き(中段の構え、胸付・腰付の構えから頭部への突き)
中段突き(中段の構え、胸付・腰付の構えから胴体への突き)
以外にも基本の突き、打ち方があります。

【小太刀の突き、打ち方の解説写真】
 1.上段打ち 上段からの正面打ち

 2.袈裟打ち 小太刀を、右肩から左下への斜め打ち

 3.中段抜刀打ち 小太刀を、左腰から体を開き打つ

 4.上段突き 頭部への突き

●小太刀の受け方
上受け(上段打ちを止める)
外受け(小太刀を外に開き受ける)
内受け(小太刀を内に閉めて受ける)
払い受け(刀先を下げ小太刀を外に開き受ける)
掬い受け(刀先を下げ小太刀を内に閉めて受ける)
以上、5通りの基本の受け方があります。

【受け方の解説写真】
 外受け
  小太刀を内から外に開き打ち受ける

 内受け
  小太刀を外から内に閉じ打ち受ける