小太刀競技

小太刀競技のルール

KODACHI
 小太刀とは太刀の一種であり、主に斬ることよりも刺突での攻撃に特化した刀であると伝えられております。また、他の文献等にも同様の記載があり、文献によっては名称が異なったりしますが、小太刀の定義とは刃渡り30cm以上60cmまでの刀身の刀を指すものとの事です。よって、小太刀競技会では、刀身30㎝の競技用の刀を用いる事にしました。

 

競技ルール
 競技基準等に基づき、競技時間内に、敵陣地の対戦者を打つ・突く等の行為で加点し、受ける・避ける等で失点を防ぐ、ポイント制の競技となります。

 

競技場
 小太刀競技場は、年齢や体格差など関係なく、戦略や多彩な小太刀の技(受ける・打つ・突く等)をできるようにするために、試行錯誤を繰り返し、陣地での攻防ができるようにしたことで、安全に競技ができる競技用のマットを発案することができました。
 また、小太刀競技場のマットとして、意匠登録することができました。

 

青少年・壮年の部
 競技場は、長さ180cm・幅90cmのマットを使用し、境界線の中央線・横線は黄線とし、両端の線は白線とする、マットを敷き両端90cmを確保し、長さ360cm以上の競技場とする。また、主審・副審が中央線に向かい合わせとなるため、270cm以上の幅を確保する。

 

少年(身長140cm未満)の部
 競技場は、長さ140cm・幅90cmのマットを使用し、境界線の中央線・横線は黄線とし、両端の線は白線とする、マットを敷き両端90cmを確保し、長さ280cm以上の競技場とする。また、主審・副審が中央線に向かい合わせとなるため、270cm以上の幅を確保する。

   

試合時間
 試合時間は、2分間とする。ただし、4ポイントを先取した者を勝ちとする。
 延長時間は、2分間とし、ポイント(突きあり・技あり・相手への注意1、2)を先取した方を勝者とする。

 

武器
 新小太刀競技協会では、古来の技や形を小太刀競技に合う技や型に整理し、力が弱い者でも競技ができるように競技刀の刀の長さを45㎝程、刀身を30㎝とし、重さは250g程と350g程の2種類にし、小太刀と同重量程度にしました。なお、競技に使用する武器については、上記の小太刀と称する競技刀1本としております。

 

装備
安全の配慮として、小太刀と称する競技用の刀の刃先が面の隙間を通らないヘッドガードを着用する。
試合着は、上衣ついては活動的な服装(Tシャツ等)とし下衣は動きやすいもの武道着などを着用する。
指については、ケガを防ぐため手袋を着用し、素肌を出さないようにする。

 


 

判断基準(一部抜粋したものを記載)

ポイントの考え方
 新小太刀競技協会では、刀身30㎝の小太刀でのダメージ度を検証し下記のポイントとしました。
 まず、実物の小太刀で打つ又は斬った場合は、刀身が短く重量が軽いため、頭部に当たった場合や衣類を着ている場合には、人体に深くダメージを与えることは難しいと判断しました。
 つぎに、小太刀で突いた場合は、頭部や腹部については、急所が多くあり致命傷となると判断し、それ以外の部位(手足等)は致命傷にならないと判断しました。
 よって、新小太刀競技協会では上記の判断に基づき、ダメージ度で、1又は2ポイントに分けたことにより、競技刀で相手の全身(頭・体・手足)を勢いよく打った場合は、1ポイントの加点としました。また、頭部・腹部を勢いよく突いた場合は、2ポイントの加点とし、それ以外の部位(手足等)は、1ポイントの加点としました。ポイントを詳細に分類しないことで、競技などでの審判員の誤審や負担を少なくしました。

勝敗
勝者は、先に4ポイントを先取した者。又は、試合時間終了時にポイントが多い者を勝者とする。
失格となった場合は、敗者とする。   

2ポイント(突きあり)
突きが有効打と判断された場合は、2ポイントとする。
突きの有効打は、頭部から胴囲とする。
例)腹部(下腹部を除く)・横腹・背中への突きが有効打と判断された場合。

1ポイント(技あり)
上記以外に有効打と判断された場合は、1ポイントとする。
打ち込みによる有効打の範囲は全身(下腹部を除く)とする。
ただし、競技刀を持つ手は、指先から肘までは判定が困難なため、打突の判定はしないこととする。しかし、主審の判定が可能な場合はその限りではない。
突きによる有効打は、手(腕の付け根から指先)・足太ももから足先とする。

相打ち
双方の対戦者の打突が同時に当たった場合。
有効打の同ポイントの相打ちは、双方に加点する。
突きと打ち込みの有効打の相打ちは、突きを有効打と判断し、加点する。
打突に威力のない打撃は相打ちと判断しないこととする。
例)威力のない突きと威力のある打ち込みの相打ちの場合は、打ち込みを有効打と判断する。

注意
下記の注意項目の行為を行った場合(対戦者に1又は2ポイントを加点)とする。
また、両者ともに同時に注意があった場合は、両者に注意を与える。

注意1
黄線を踏んだ場合は、対戦者に1ポイントを加点する。
前足が後線(白線)から、はみ出した場合は、対戦者に1ポイントを加点する。
競技者が奇声や意味のない奇声をあげたと審判が判断した場合は、対戦者に1ポイントを加点する。
前の足が枠内に入った状態で、(ひざかしら)が枠内に入らず、腰を後ろの足に乗せた状態を10カウント(約10秒程度)以上続けた場合は、審判が逃げの体勢と判断した時は、対戦者に1ポイントを加点する。

注意2
対戦者に2ポイントを加点する。
境界線(黄線)中心線・横線上から、はみ出した場合は、対戦者に2ポイントを加点する。
対戦者の有効打と判断される突きを、手で払ってしまった場合は、対戦者に2ポイントを加点する。
突きの攻撃が、偶然に下腹部へ勢いよく当たったと審判が判断した場合は、対戦者に2ポイントを加点する。ただし、掠った場合は、無効とする。
攻撃の意思がなく防御の状態を30カウント(約30秒程度)以上続けた場合は、審判が逃げの体勢と判断した時は、対戦者に2ポイントを加点する。

失格
下記の失格項目の行為を行った場合は失格とし、対戦者を勝者とする。
試合開始時に集合しない場合は、失格とする。
対戦者の陣地に両足を踏み入れた場合は、自分の陣地を空けたとして、失格とする。
相手の陣地に倒れた (手・膝を着いた)場合は失格とする。
競技中に競技刀が、地面に落ちた・落とされた場合には、失格とする。
対戦者の突き・打ち込みを、手で掴んだ場合には、失格とする。
競技刀の柄頭で攻撃した場合は、失格とする。
下腹部・股間へ下から上の軌道の打突は危険な行為とし、失格とする。ただし、足に当たったと審判が判断した場合は、無効とする。

ポイント等の説明
白線は踏んでも注意とならない。前足が白線から出た場合は、注意1とし対戦者に1ポイント加点する。
小太刀の刀身の赤線(刃の部分)以外の部分が当たった場合は、有効打(ポイント)とならない。
前足は、対戦者の足の攻撃を躱すため、1秒以内であれば浮かせた状態で枠外に出て枠内に戻ることは認める。

打撃の判定基準
有効打の判定は振り打ちの場合は、肘を90度以上曲げた状態からの打ち込みや体の勢いなどで判断する。
突きの場合は、腕の屈伸と体の勢いなどで判断する。手の曲げ伸ばしだけの連続突きやスナップ打ちは判定しない。
手首の部分だけを振ったり手首打ちや手首の部分だけを返したりのスナップ打ちは判定しない。また、技の繋ぎとしての使用は認めるが判定はしない。

審判員
審判員は2名とし、審判はコートの中心で主審と副審は対面で向き合い、両方の選手の判定を行なう。
主審は選手の有効打等を確認し、副審は線の踏み出し等の足元の確認をする。
競技に応じて、主審の横にポイントを記録する補助員を置くことができる。