古流柔競技協会(こりゅうやわらきょうぎきょうかい)
柔競技協会(やわらきょうぎきょうかい)と略名する。柔競技協会は、競技用の小刀や体術を用いた柔競技の育成・指導や柔競技大会の運営や管理を行う団体となります。また、同会では古流の柔術を柔と称し、無手あるいは短い武器による攻防の技法を中心とした競技です。
柔競技
柔競技は、3m四方の競技場とし、小刀や体術(打撃・投げ・関節技等)を用いた競技となります。狭い競技場のため、体格が大きく力が強い者が有利となりますが、小刀を用いることで体格差や力の強弱に関係なく、技等の優劣が勝敗のカギになる競技としております。
柔競技の特徴
柔競技の特徴は、古来の柔術の戦いを再現するために、競技用の小刀を刃物と見なし判定する柔競技となります。
競技用の小刀を刃物と見なしたことで、小刀を制せずに手足による攻撃などをした場合には、競技用の小刀で腕や脚を打たれて「技あり」と判定され、無防備に正面から掴みにいけば、競技用の小刀で腹部等を突かれ「一本」と判定されるなど、一瞬で勝敗が決まる競技となります。
ただし、柔競技が小刀を振り回すだけの競技にならないように、3m四方の狭い競技場となっておりますが、競技場の場外の打突は無効と判定しており、競技者が競技場の場外に踏み出ても、一定の時間は注意の判定を取らないことにしたことで、競技者は十分な間合いを取ることができ、隙を探して体術を仕掛けられるようになり、小刀の技や体術の技に秀でた者が勝利する柔競技となりました。
また、柔剣術競技の会員は、10級から基本的な体術の技や小太刀の技を修練し、初段位となり柔競技を選択した場合には、柔術の陰の位参拾六式ノ型等を修練し、柔競技大会等で実践し、さらに古流の柔術の形を磨くことになります。柔術の形は先人たちが命がけで作り上げた形のため危険な技もあります。命に係わるような危険な技は高段者の技のため、競技者が修練することはありません。
しかし、一瞬でも気をぬくと関節技等を仕掛けられ、骨を折ったり、身体を痛めたりする危険な競技になります。柔競技大会などの試合に挑む者は、しっかり体を作り柔の鍛錬する必要があります。
なお、現代では古流の柔にはなかった打撃や投げ技等が存在するため、柔競技協会では柔競技に攻防の技を追加することにしました。
柔競技場について
柔競技の競技場については、3m四方の競技用マットになります。
柔競技の試合については、以前は柔道の試合場を借りて試合をしておりましたが、試合場が64㎡以上と広いことから、競技者は小刀を振りながら試合場を走り回るため死角が多くなり、審判員の判定も困難な事から、柔用の競技場を試作することにしました。競技場の開発には日数を要しましたが、柔の競技場マットが数年前に完成し、3m四方の狭い競技場にしたことで、柔競技会が求めていた柔の競技ができるようになりました。
また、難題であった審判の死角については、競技場の四方に審判員を配置することで、締め技や関節技などの危険な技にも、素早く対処することができるようになり、問題も解決いたしました。
近年では、開始線を廃止し、下の写真のように、競技場マットの対面する隅に、1㎡の正方形を2か所設けて、赤色とし競技者の陣地としました。残りの部分は青色とし色分けをしました。また、陣地を設けたことで、競技者は陣地で自由に構えた状態で、開始の合図を待つことができる競技場となりました。
なお、柔競技の試合用マットについては、現在意匠出願中です。
柔競技の小刀とは
柔競技では、競技用の小刀を刀身1尺(30センチ)・1尺2寸(36センチ)・1尺4寸(42センチ)の3種類の長さの小刀があります。刀が長ければ当たりやすく、刀が短ければ、相手と掴み合いになった場合には扱いやすいなど、小刀にも長所と短所があります。柔競技の技や形の練習でも、小刀が得意な者は刀身が1尺4寸の長い小刀を用い、体術が得意な者は刀身が1尺と短い小刀を用います。
柔の競技者は、勝利するために、修練の中で自分に合った小刀を探すことから、始めることになります。
柔競技の技
柔競技の技は、小刀・体術(突き蹴り技、投げ技、関節技、組技)に大きく分けられます。
また、柔競技では、小刀があるため下の写真のように、寝技になる事はなく、組み伏せてからの小刀での打突等や立ち関節技、投げ技からの小刀での打突等となります。
柔の基本之技(一部抜粋)
技の名称は小刀の打突技や体術(打撃・投げ・関節技等)の記載に留めます。
柔競技の概要
柔競技は、小刀や体術(打撃・投げ・関節技)を用いた古流柔術の競技となります。
- 競技者は、初段位(初伝ノ位)以上を有する。
- 試合着は、同会の定めた武道着・野袴を着用する。
- 試合場は、同会の定めた競技場とする。
- 武器は、同会の定めた武具を用いる。
- 防具は、同会の定めた頭部を守る面、手袋、拳サポーター等を着用する。
- 判定は、同会の定めたルール等に基づき判定する。
- 試合時間は、3分間の1本勝負で勝敗を決する。
-以下省略-